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FUND BIZ 注目投信を徹底分析

SBIアセット アジア「ライオングローバル アジア カントリー・ファンド・シリーズ」を新規設定 シンガポール、マレーシア株Fが国内初登場! 「成長」と「安定」を兼ね備えたアジアで分散投資

~代表取締役社長 木暮康明氏 運用企画部長 中村慎吾氏~

2012年03月12日

20120312-1.jpgのサムネール画像  SBIアセットマネジメントは1月25日、アジア3カ国の株式を投資対象とし、各国に個別に投資できる「ライオングローバル アジア カントリー・ファンド・シリーズ」を新規設定する。対象はシンガポール、タイ、マレーシアの3カ国で、シンガポールとマレーシアの株式を投資対象とする公募投信は国内初。同ファンドの概要や設定の背景を、木暮康明代表取締役社長、中村慎吾運用企画部長に聞いた。


 ――まずはファンドの概要を教えてほしい。
 「今回、新規設定する『ライオングローバル アジア カントリー・ファンド・シリーズ』は、投資対象国の異なる3本のファンド『シンガポール投資ファンド』『タイ投資ファンド』『マレーシア投資ファンド』で構成されている。当該国に籍を置く企業、あるいは、主な事業を展開する企業の上場株式などに投資を行う」
 「実質的な運用は、シンガポール3大金融サービス・グループの1つ、オーバーシー・チャイニーズ銀行グループの運用会社である、ライオン・グローバル・インベスターズ・リミテッド(シンガポール)が行う。決算は年1回。原則、為替ヘッジは行わない」


 ――投資対象国の選定理由など、ファンド設定の背景は。
 「投資対象とした3カ国とも国家戦略に沿って高い経済成長を続けており、財政状態も安定。インフレにあえぐほかの新興国とは異なり、物価もしっかりコントロールされている。IMF(国際通貨基金)推計によるとGDP(国内総生産)成長率は今後も年5-7%ほどと、比較的安定した成長の継続が見込まれている」
 「魅力的な投資対象であるにもかかわらず、マレーシア、シンガポールの2カ国については、単一国の株式を対象とした既存ファンドは見当たらない。タイ株を投資対象とするファンドの本数はごくわずかで、ポピュラーな投資ツールにはなっていない。アジアの単一国を投資対象とする既存ファンドは、現在は中国やインドネシアなど一部の国に限定され、大部分の国はASEAN(東南アジア諸国連合)など複数国にまとめて投資するタイプのファンドに組み入れられているのみ。そこで当社は、今後、世界の成長をけん引することが期待される3カ国に"個別に"アクセスできる機会を提供することとした」
 「リーマン・ショックや欧州債務危機など、昨今の投資環境は不確実性を増している。大きなリターンを狙ってBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)など新興国株に投資をしても、特に大型株については先進国株との相関性が高まっており、分散の意味が薄れてしまっている。当ファンドのように『成長』と『安定』を兼ね備える3カ国への個別投資という新しいツールを提供することで、既存ファンドとは異なる役割が期待できる」


 ――投資先の現状や投資の魅力について聞きたい。まずはシンガポールから。
 「3カ国のうちシンガポールのみ先進国という扱いなのだが、新興国に負けない高成長を続けている。1人当たりGDPは既に日本を追い抜いてしまった。シンガポールは人口500万人ほどの小国で資源も持たないのだが、トップの指導力の下に大胆な政策で『プロ・ビジネス』の推進に注力している。例えば企業の法人税を17%と他国の水準から大幅に優遇することで、世界中から企業誘致を促し、これに付随してさまざまな産業が誕生している。世界経済フォーラム(スイス・ジュネーブ)が発表する世界国別競争力ランキングでは常に上位にランクインしており、2011年はスイスに次ぐ2位に」
 「同時に『人』を集めるため、個人に対してはキャピタルゲインや相続税を非課税にすることで、世界の富裕層を多数受け入れている。また、近年は観光にも注力しており、2010年にはカジノを備えた総合リゾートホテルが完成。世界中から観光客が急増している。政府は2015年に年間外国人観光客数1700万人、年間観光収入については2010年の1.5倍に当たる300億シンガポール㌦(約1兆8000億円)への拡大を目標に掲げている」


 ――続いてタイについて。昨秋の洪水では日本企業の関与の深さに多くの人が驚かされた。
 「インドと中国の中間に位置し、アジアのどこへもアクセスが良いということから、多くの自動車メーカーが進出。トヨタ、ホンダなど日本企業の直接投資によって経済が加速してきたといっても過言ではない」
 「今回の洪水被害によって、自動車産業の集積地、まさに『アジアのデトロイト』といったタイの存在感があらためてクローズアップされたかたちだが、現地企業は既に生産を再開しており、直近では復興需要も見られる。先日トヨタがタイ工場新設を発表するなど、ASEANを筆頭とする新興国への足掛かりとしてのタイの重要性は不変だ。しかしながら、JETRO(日本貿易振興機構)によると、今後も同様の事態の可能性を排除していない。政府は、企業移転の際に税制優遇措置を適用することなどを検討しており、これまで誘致した企業を死守する方向で既に動いている」


 ――マレーシアはどうか。
 「1991年、当時のマハティール首相が2020年までの先進国入りを目標とする『ビジョン2020』を宣言。現在でも政策の基盤になっており、コンスタントに高成長を続けている。直近では『第10次マレーシア計画』と銘打ち、前半5カ年(2011-15年)の計画として、日本円で総額5兆5200億円の予算が組まれている。2010年の成長率は7.5%だが、今後も6%程度を維持していこうとの意気込みが根底にある」
 「とりわけインフラ開発プロジェクト(政府の景気刺激策)が弾みとなり、建設業のGDP成長率は3.4%の見通しから、12年には7%と倍増を見込む。現ナジブ首相は11年7月、大量高速輸送プロジェクト(MRT)を立ち上げ、日本円で総額4800億円ほどの予算が組まれている」


 ――ファンドが想定する投資家層は?
 「単一国の株式を対象とするため、投資初心者の利用は難しいかもしれない。ある程度、投資を経験した上で新興国の魅力を理解したものの、アクセス方法が見つからなかった、という投資家にとっては、待ち望んだ投資機会の出現といえるだろう」
 「ちなみにSBIグループ全体としても、海外の金融サービス企業とのアライアンス促進を成長戦略として掲げるなど、アジア、とりわけASEANを重点地域と位置付けている。これらの国々は今後も力強く世界経済をけん引していくだろうとみており、"成長を買う"という株式投資の本来の目的からいえば、非常に魅力的なエリアだ
」  「当社は多様な投資機会の提供を使命と考える。昨年10月には『ハーベスト アジア フロンティア株式ファンド』を設定。BRICsに隣接し、BRICs発展の恩恵を受けてこれまで成長を続けていて、今後10年は、かつてのBRICsのような急成長が期待される5カ国(バングラデシュ、モンゴル、カザフスタン、スリランカ、ベトナム)を選出。今はまだ外国人投資家からの注目度が低くグローバルマーケットとの相関性が低いという特徴を持つことから、分散投資の1つの候補に挙げてもいいだろう。集中投資を目的とするタイプではなく、それは今回設定する『ライオン~』も同様。必要だと感じる投資家に有効活用していただきたい」(Y)





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