~日興アセットマネジメント 商品企画部 商品開発グループ マネージャー 松本淳宏氏~
2012年03月13日
日興アセットマネジメントは1月20日、「日本低位割安株ファンド'12-01(愛称:龍視耽耽)」(単位型)を新規設定する。同社では約1年ぶりとなる日本株ファンド設定の背景や商品概要を、商品企画部商品開発グループの松本淳宏マネージャーに聞いた。
――まずはファンドの概要を教えてほしい。
「主な特徴は2点。①"実力のある"日本の低位株を投資対象とすることと、②基準価額が1万1500円以上になった場合は、安定運用に移行した後に繰上償還を行うこと。運用期間は2012年1月20日から17年1月19日までの5年間、申込期間は12年1月4日から19日までの単位型とした。決算は年1回。分配金の有無などは基準価額水準や市況動向等を勘案して決定する」
――約1年ぶりの日本株ファンド設定、その理由は?
「日本株は株価バリュエーション面での魅力が高まっている上に、12年度は復興需要による景気浮揚効果などから、企業業績の回復とともに反転することが期待されている。復旧・復興対策の事業規模は今後10年間で少なくとも23兆円程度が見込まれている。にもかかわらず、TOPIXのPBR(株価純資産倍率)は11年11月末時点でわずか0.9倍ほどと、歴史的に見ても非常に低水準にある」
「東日本大震災の影響などもあり、日本経済は11年にマイナス成長となる見通しだが、12年は先述の通り復興需要などに支えられ、景気回復の足取りを固めていくことが見込まれている。IMF(国際通貨基金)による世界各国のGDP(国内総生産)成長率(12年予想値)を見ても、日本は2.3%と、最近堅調が伝わる米国1.8%を含む先進国の中では最も高い数値に。今後、国内外の投資家から注目を集める市場の1つになると考える」
「過度な円高傾向も今後は落ち着きを取り戻すとみられるが、これも追い風に。円相場(対米ドル)は過去最高値水準での推移となっているが、日米の金利差から判断すると、ここから大きく円高が進行する可能性は低いと考えられる。この先、円安に転じるようであれば、輸出関連企業などを中心に、企業収益にとってはプラスに働くと考えられる」
――なぜ「低位株」なのか。
「過去を振り返ると、景気回復とともに株式市場は上昇する傾向が見られるが、特に、低位株の上昇は、市場全体より大きくなる傾向が見られる。これには、景気回復局面では①幅広い銘柄が買われやすい②株価の値ごろ感が注目されやすい③業績の改善期待が集まりやすい――といった理由が考えられる。一方で、相場下落局面においては下値が限定的となる傾向も。いずれにせよ、日本経済が回復に向けて本格始動しようとする現在の投資環境は、低位株に投資する好機だと考える」
――銘柄選定プロセスについて。
「当ファンドの言う『低位株』とは、東証1部上場銘柄のうち、株価水準が低位3分の1に分類される株式とし、これらのうち割安感が強いと判断される銘柄を抽出して投資対象とする。まずは、東証1部上場全銘柄を株価が高い順に並べて、低位3分の1を機械的に抽出。倒産リスクが高い『信用リスク銘柄』を除外した後に個別銘柄判断を行う。財務体質の健全性(負債比率など)やバリュエーション(PBR、PER、配当利回りなど)の割安度を考慮し、業績予想修正などにも注目することで、景気回復に伴う株式市場の反発時に大きな株価上昇が期待できる銘柄候補を選定する。現在、東証1部上場銘柄は1700ほどあるが、最終的には100銘柄程度にまで絞り込む」
「株価が低位に据え置かれるには、業績など個別要因のほか、投資家に知られていない、といった理由も。当社にはセクター別アナリストはもちろんのこと、『小型株』『バリュー株』それぞれに特化したアナリストが在籍。当ファンドでは個別銘柄判断を行う際に彼らのノウハウを活用することで、機関投資家などの調査対象に十分組み込まれていない企業に関しても投資価値を判断するなど、投資機会を積極的に追求する」
――東証1部に限定した理由は。
「東証1部上場銘柄とひと口に言っても、時価総額約10兆円のトヨタのようにだれもが知っている大企業もあれば、小粒な企業もあり、バラエティーに富んだ構成になっている。ほかの市場に対象を広げずとも、日本の株式市場の特性をキャッチできると考える」
――「単位型」とのこと。日本株投資の好機は限定的なのか?
「そうではない。確かに、当ファンドの場合には一定の利益獲得機会を逃すことがないよう、過去の上昇局面をかんがみて基準価額の15%という目安を設定した。一方で、当社が約1年ぶりとなる日本株ファンドを設定することで日本株の魅力を投資家の方々にお伝えし、あらためて日本株の魅力に注目していただければ、との願いを込めている」(Y)















